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田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
SOLD OUT
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック /横裏板:セラック
糸 巻:フステーロ ラミレスタイプ
弦 高:1弦 3mm/6弦 4mm
〔製作家情報〕
1974年群馬県生まれ。20歳の時にクラシックギターの製作を志し、法政大学卒業と同時に石井栄氏に製作を師事、同工房にて自作品として140本近くを製作。その後2001年に渡欧し、各地の弦楽器工房を訪問し実地に見識を深めてゆくなかで、スペイン、シグエンサでのホセ・ルイス・ロマニリョス製作講習会に参加したこが決定的な体験となり、スペイン伝統工法によるギター製作に自らの方向性を確信することになります。
帰国後に栃木県足利市に独立して工房を構え、さらに一年間の製作研究を経て2002年10月に彼のメインモデルの一つとなるロマニリョスモデルを発表。並々ならぬ探求心と柔軟かつ新鮮な感性を常に保ち続け、それを十全に活かしたまさに結晶と言える彼のギターは、その造作と音響的な完成度の高さで国内の若手製作家のなかでも比肩するもののないアイテムとなっています。現在年間5~6本のペースで製作。2018年にはNHKの人気番組で工房での製作風景が放映された他、2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。
オルフェオマガジン「日本の製作家」特集掲載号 オンラインショップ商品ページはこちら
オルフェオ取材同行記 田邊雅啓編はこちら
〔楽器情報〕
田邊雅啓の初となる「アルカンヘル・フェルナンデス」モデル No.274、2022年新作です。
直接製作を学んだことはないものの、ギターを作るということについて最も深く哲学的な示唆を氏に与えたスペイン生まれの稀代のマエストロ、アルカンヘル・フェルナンデス(1931~、現在は引退)。スペイン伝統のギターを標榜しながらもそのあまりにも厳しい製作姿勢ゆえに、名品と言われながら安直な弾き手を寄せ付けないある種の孤高さをまとい、マーケットにおいても常に異質な存在感を放ち続けているブランドです。尊敬してやまないマエストロの名を冠したモデルを以前より自身のラインナップに連ねながらも、やはり同様に厳しさをもって製作に臨む田邊氏だけに、ここへ至るまでの道筋には深い思索の過程があったことがうかがえます。満を持してここに提示された本作は、畢生のオマージュであると同時に氏の現在の到達点を示す清冽な、見事な1本となっています。
1985年製のオリジナルを田邊氏自らが設計図におこし、完全準拠しています。製作中はいつも傍らにその実物を置き造作と音とを確かめながら手を進めたとのこと。さらにはそれ以外の年式のものも精査をしたうえで、最適な着地点を模索し完成させています。内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、ボディ下部は計6本の扇状力木がセンターに配された1本を境として高音側に3本、低音側に2本がそれぞれあまり角度をつけずに配置されており、ボトム部でそれらの先端を受け止める2本のハの字型に配されたクロージングバー、そして駒板の位置にはパッチ板が貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。表面板は氏がアルカンヘル本人から譲り受けた、まさに厳選素材の最高級スプルースを使用。横裏板もまた上質な中南米産ローズウッドを使用し、全体は美しいセラック塗装仕上げ。ネックはノーマルな厚みのDシェイプで、弦の張りは中庸からやや強め。黒、赤、緑、ブラウン、クリームで構成されたロゼッタデザインはさりげなく洒脱で、外観のさりげないアクセントになっています。また糸巻はアルカンヘルにふさわしく、スペインの老舗フステーロ製の渋いモデルをセレクト。
程よい反発感を伴った発音とその凛とした音像が素晴らしい。絶妙な重心感覚を備えた音響設定により、低音から高音に至るバランスも良く、そしてしっかりとスペイン的な(低音と高音それぞれがしっかりとアイデンティティをもった)響きを達成しています。アルカンヘル特有の、エアー感よりも個々の音の実体性が際立つ感覚があり、独特の音圧感、ポリフォニックで豊かな表情を備えています。そしてこれもやはりオリジナルと同様に奏者には強靭でしかし繊細なタッチが求められるところですが、こうしたところも妥協しないのは田邊氏ならではでしょう。
本作は2022年に開催されたイーストエンドギターフェスティヴァルに出品され、ホルヘ・カバジェロ氏がステージにて試奏したモデルです。表現力とコンサートギターとしての性能の高さとが好評を得ました。販売に際し田邊氏が全面的に調整を施しています。
Performance video
×
〔商品情報〕
楽器名
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
カテゴリ
国産クラシック 新作
品番/モデル
110号 アルカンヘルモデル No.274
弦 長
650mm
国
日本 Japan
製作年
2022年
表 板
松 Solid Spruce
裏 板
中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
程 度※
10
定 価
1,210,000 円
販売価格(税込)
1,149,500 円
付属品
ケース別売
下の写真をクリックすると拡大して表示します
国産クラシック 新作
禰寝 碧海 Marin Nejime
禰寝 碧海 Marin Nejime
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
加納 木魂 Kodama Kanoh
加納 木魂 Kodama Kanoh
加納 木魂 Kodama Kanoh
加納 木魂 Kodama Kanoh
栗山 大輔 Daisuke Kuriyama
禰寝 碧海 Marin Nejime
山根 淳志 Atsushi Yamane
西野 春平 Shunpei Nishino
西野 春平 Shunpei Nishino
西野 春平 Shunpei Nishino
アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno
禰寝 碧海 Marin Nejime
禰寝 碧海 Marin Nejime
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
栗山 大輔 Daisuke Kuriyama
禰寝 碧海 Marin Nejime
栗山 大輔 Daisuke Kuriyama
栗山 大輔 Daisuke Kuriyama
アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
●
清水 優一 Yuichi Shimizu
禰寝 碧海 Marin Nejime
田邊 雅啓 Masahiro Tanabe
西野 春平 Shunpei Nishino
佐久間 悟 Satoru Sakuma
佐久間 悟 Satoru Sakuma
加納 木魂 Kodama Kanoh
長崎 祐一 Yuichi Nagasaki
禰寝 碧海 Marin Nejime
栗山 大輔 Daisuke Kuriyama
久保 津奈夫 Tsunao Kubo
※程度
10
新作
9
新品同様の美品
8
年代から見て状態が良い
7
年代から見て標準に近い状態
6
状態は少し劣るが演奏性は良い
5
状態は劣るが演奏上の問題は無い
4以下演奏性に問題がある楽器は、販売いたしません
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック /横裏板:セラック
糸 巻:フステーロ ラミレスタイプ
弦 高:1弦 3mm/6弦 4mm
〔製作家情報〕
1974年群馬県生まれ。20歳の時にクラシックギターの製作を志し、法政大学卒業と同時に石井栄氏に製作を師事、同工房にて自作品として140本近くを製作。その後2001年に渡欧し、各地の弦楽器工房を訪問し実地に見識を深めてゆくなかで、スペイン、シグエンサでのホセ・ルイス・ロマニリョス製作講習会に参加したこが決定的な体験となり、スペイン伝統工法によるギター製作に自らの方向性を確信することになります。
帰国後に栃木県足利市に独立して工房を構え、さらに一年間の製作研究を経て2002年10月に彼のメインモデルの一つとなるロマニリョスモデルを発表。並々ならぬ探求心と柔軟かつ新鮮な感性を常に保ち続け、それを十全に活かしたまさに結晶と言える彼のギターは、その造作と音響的な完成度の高さで国内の若手製作家のなかでも比肩するもののないアイテムとなっています。現在年間5~6本のペースで製作。2018年にはNHKの人気番組で工房での製作風景が放映された他、2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。
オルフェオマガジン「日本の製作家」特集掲載号 オンラインショップ商品ページはこちら
オルフェオ取材同行記 田邊雅啓編はこちら
〔楽器情報〕
田邊雅啓の初となる「アルカンヘル・フェルナンデス」モデル No.274、2022年新作です。
直接製作を学んだことはないものの、ギターを作るということについて最も深く哲学的な示唆を氏に与えたスペイン生まれの稀代のマエストロ、アルカンヘル・フェルナンデス(1931~、現在は引退)。スペイン伝統のギターを標榜しながらもそのあまりにも厳しい製作姿勢ゆえに、名品と言われながら安直な弾き手を寄せ付けないある種の孤高さをまとい、マーケットにおいても常に異質な存在感を放ち続けているブランドです。尊敬してやまないマエストロの名を冠したモデルを以前より自身のラインナップに連ねながらも、やはり同様に厳しさをもって製作に臨む田邊氏だけに、ここへ至るまでの道筋には深い思索の過程があったことがうかがえます。満を持してここに提示された本作は、畢生のオマージュであると同時に氏の現在の到達点を示す清冽な、見事な1本となっています。
1985年製のオリジナルを田邊氏自らが設計図におこし、完全準拠しています。製作中はいつも傍らにその実物を置き造作と音とを確かめながら手を進めたとのこと。さらにはそれ以外の年式のものも精査をしたうえで、最適な着地点を模索し完成させています。内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、ボディ下部は計6本の扇状力木がセンターに配された1本を境として高音側に3本、低音側に2本がそれぞれあまり角度をつけずに配置されており、ボトム部でそれらの先端を受け止める2本のハの字型に配されたクロージングバー、そして駒板の位置にはパッチ板が貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。表面板は氏がアルカンヘル本人から譲り受けた、まさに厳選素材の最高級スプルースを使用。横裏板もまた上質な中南米産ローズウッドを使用し、全体は美しいセラック塗装仕上げ。ネックはノーマルな厚みのDシェイプで、弦の張りは中庸からやや強め。黒、赤、緑、ブラウン、クリームで構成されたロゼッタデザインはさりげなく洒脱で、外観のさりげないアクセントになっています。また糸巻はアルカンヘルにふさわしく、スペインの老舗フステーロ製の渋いモデルをセレクト。
程よい反発感を伴った発音とその凛とした音像が素晴らしい。絶妙な重心感覚を備えた音響設定により、低音から高音に至るバランスも良く、そしてしっかりとスペイン的な(低音と高音それぞれがしっかりとアイデンティティをもった)響きを達成しています。アルカンヘル特有の、エアー感よりも個々の音の実体性が際立つ感覚があり、独特の音圧感、ポリフォニックで豊かな表情を備えています。そしてこれもやはりオリジナルと同様に奏者には強靭でしかし繊細なタッチが求められるところですが、こうしたところも妥協しないのは田邊氏ならではでしょう。
本作は2022年に開催されたイーストエンドギターフェスティヴァルに出品され、ホルヘ・カバジェロ氏がステージにて試奏したモデルです。表現力とコンサートギターとしての性能の高さとが好評を得ました。販売に際し田邊氏が全面的に調整を施しています。