ギターショップアウラ ギターカタログサイト

禰寝 碧海 Marin Nejime



New Arrival
〔商品情報〕
楽器名禰寝 碧海 Marin Nejime
カテゴリ国産クラシック 新作
品番/モデル100号 オリジナルモデル ’Casa Enrique’
弦 長650mm
日本 Japan
製作年2026年
表 板松 Solid Spruce
裏 板中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
程 度※10
定 価1,100,000 円
販売価格(税込)1,045,000 円
付属品ケースなし

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.3mm / 6弦 3.7mm

〔製作家情報〕
禰寝碧海(ネジメ マリン)1986年生まれ。アルベルト・ネジメ・オーノの名称でギター製作を行っている禰寝孝次郎氏の息子。父、孝次郎氏の影響下のもと幼少より音楽と工作に興味を持ち、2009年自由学園を卒業後本格的にギター製作の道を進むことを決意します。何度かの訪西の後、2012年9月には長期間グラナダに滞在し、父の師匠でもある名工アントニオ・マリン・モンテロに師事。スペインの伝統工法に立脚した製作法で、そこに瑞々しく個性的な音響的特性を盛り込んだ彼の楽器は、実に新鮮な感覚にあふれたものとなっており、1本として同じものがありません。また造作と塗装の精度の高さと美しい仕上がりも父と師匠とに劣らぬ素晴らしいもので、外観のこの上ない凛とした気品に結実しています。

海外でも高い評価を得ており、2017年にはグラナダの国際ギターフェスティバルの製作コンクールで入賞。現在は年に5~6本前後のペースで製作。左記のグラナダ製作コンクール入賞モデルの他、オリジナルモデル、そしてダニエル・フレドリッシュモデルなどがあり、それぞれが個性的な特徴を備え、ギターファンからの評価も益々の高まりを見せています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。
オルフェオマガジン「日本の製作家」特集掲載号 オンラインショップ商品ページはこちら

オルフェオ取材同行記 栗山大輔、清水優一、禰寝碧海編はこちら


[楽器情報]
禰寝碧海 Nejime Marin 製作、オリジナルモデル‘Casa Enrique’2026年新作の入荷です。
碧海氏は近年グラナダの街に因んだタイトルが付されたモデルを続けて発表しており、それはもちろん氏がアントニオ・マリンの工房で学んだ日々の極めてリアルな肌感覚や印象的風景に基づくもので、タイトルとその楽器との関係は絵画におけるそれさえも思わせるような、ある意味文学的なイマジネーションを喚起するものとなっています。さらにこれらのタイトルは決して楽器のイメージを安直に規定するような恣意的なものでは決してなく、それぞれの音響コンセプトとの連関もあるところはいかにも碧海氏らしい矜持の深さを感じさせます。

本作‘Casa Enrique’もやはりグラナダにあるバールの名前で、碧海氏がグラナダ滞在中のある夜、街を歩いていてちょうどこの酒場の前を通ると師であるアントニオ・マリンと彼の甥であり同じくグラナダを代表する製作家のパコ・サンチャゴ・マリンが二人で晩酌を交わしており、碧海氏も加わるように声をかけられ盃を共にしたという、ギターファンが羨みそうな思い出の場所なのだそう。そして本器はまさしく師アントニオ・マリンへのオマージュと言える1本となっています。

まずその構造ですが、表面板の力木配置はサウンドホール上側(ネック側)に大小2本のハーモニックバー、下側(ブリッジ側)に一本のハーモニックバー、サウンドホール周りはほぼロゼッタの範囲をちょうど覆うように円形の補強板が貼られています。扇状力木は左右対称に5本が設置され、駒板のサドルの位置にはほぼ横幅いっぱいにバー(トランスヴァーズバー)が設置されており、5本の力木はこのバーを貫通して下端をボトム近くまで伸ばしています。トランスヴァーズバーと扇状力木が交差する箇所は隙間なくバーが完全に組み込む形となっており、バーの高さは低音側から高音側に向かってゆるやかに高くなっています。もちろんこの表面板の設計は師アントニオ・マリンのブーシェモデルであり、その名の通りフランスの名工ロベール・ブーシェの特徴的な構造でもあります。レゾナンスはG# の少し下に設定されています。

グラナダ的音響が碧海氏の感性(と技術)によって非常な高さに解像度を上げたような、純粋音響とさえ言いたくなるほどに磨かれた響きはもはやこのブランドにしかない特徴ですが、この清新さはやはり素晴らしい。洗練されきった艶やかな音像がタッチの指先からじかにぱっと現出してくるような発音で、現在のグラナダスクールの楽器に聴かれるような木質の軽さや、また弾けるように放射してゆく感覚とは異なり、その音像がしっかりとそこに存在するような濃密さがあります。発音から持続そして終止に至るまでのその密度の維持、濁りのないクリアな奥行きも心地良く、また各音間の彫りの深さ、和音の見事なまとまりとアルペジオでの輝くような共鳴も魅力です。音はどちらかと言えば硬質で撥弦における反発感もやはり硬めの感触(ブーシェのオリジナルがそもそもそのような発音特性を持っていることを参照する必要があるでしょう)、タッチもしかるべきものが要求されるのですが、このある意味抵抗し合う要素どうしの弁証法的とも言える作業によってこそ音が生み出されるのだという楽器本来の原理に忠実であることの碧海氏の矜持を(やや深読みしすぎではあるのですが)見て取ることもできるでしょう。

表面板の松と横裏板のココボロ材の赤とのコントラスト、慎ましくも洒脱なロゼッタ、品格のあるヘッドデザイン、これらすべてが世界レベルの技術によるセラック塗装を纏い、なんとも凛とした気品を湛えた外観。造りも細部まで精緻を極めており実に清々しい。

ネックは普通の厚みのDシェイプ。弦高値は2.3/3.7mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.0mm。糸巻はGotoh製のリラモデルを装着。全体の重量は1.69㎏。


続きを読む▼


下の写真をクリックすると拡大して表示します