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尾野 薫 Kaoru Ono



SOLD OUT
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:ロジャース L643 Vintage Style

[製作家情報]
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギター製作を開始。1980年にグラナダの巨匠アントニオ・マリンの弟子であるアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)氏にスペインの伝統的な工法を学び、本格的なギター製作の道を進むことになります。その後も伝統的な製作技法にこだわり、2001年にはスペインで名工ホセ・ルイス・ロマニリョスが主宰する製作講習会にも参加。またアントニオ・マリンからも製作技術についての指導を受け、さらには来日したアルカンヘル・フェルナンデスにも製作上の貴重なアドヴァイスと激励を受けています。

尾野氏の特徴は何といってもその独自の科学的な考察に基づいた極めて理論的なスペイン伝統工法の解析と自身の楽器製作における実践であり、楽器個体それぞれの最良の鳴りを追求した結果のその透徹した見事な音響バランス、そして雑味の無い透明な美しい響きにあります。そして音響だけでなく細部にまで行き渡った精緻な造作と繊細な塗装による外観の気品はやはり比類なく、トータルクオリティにおいて現在国内最高峰と言える完成度をもった楽器を製作しています。年間製作本数は約10本程。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。


〔楽器情報〕
尾野薫製作のホセ・ルイス・ロマニリョス 特別カスタムモデル です。
通常モデルの仕様をアップグレードし、表面板はアルカンヘル・フェルナンデス工房ストックのプレミアム松材、横裏板は見事な杢の楓材をセレクト。オリジナルの特徴的なヘッドシェイプやロゼッタのデザインももちろん尾野氏ならではの精緻さで美しく再現されており、芸術的なまでの気高さをまとった一本。

内部構造は、ボディ上部はサウンドホール上下(指板側とブリッジ側)に設置された計3本のハーモニックバーと、それらと直角に交わるように計4本の力木がサウンドホール高音側と低音側にそれぞれ2本ずつ平行に設置されており、ボディ下部は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部でハの字型に受け止める2本のクロージングバー、ブリッジの真下の位置にはブリッジプレートと同じ幅の薄いプレートが貼られているという全体の構造。これはホセ・ルイス・ロマニリョス著「Making a Spanish Guitar」の中ではPlan1として掲載されているのと同じもの。様々な力木配置を考案していたロマニリョスのなかでも、取り分けトーレス~ハウザー的美学の一つの帰結として音響的完成度の高いシステムとされるもので、オリジナルのこの緻密な計算に基づいた構造を本モデルは忠実に再現しています。

レゾナンスはF#~Gに設定され、絶妙な重心感覚が実に心地よい響き。そして全体の音響は非常に高度なバランスを達成しており、尾野氏の個性がロマニリョス的特性と見事に親和した、単なるレプリカの域を越えた1本となっています。音色は透徹としていながら温もりを感じさせ、タッチの変化に繊細に反応する音楽的表情の豊かさも比類ありません。加えて楓特有の真綿のような音の感触と、やや硬めの響きとが古雅な雰囲気を醸し出し、まさにクラシカルな気品に溢れたモデル。

糸巻きはロジャースのヴィンテージスタイル L643を装着、ナット・サドル材は現在で稀少となった象牙材を使用。ネックはヘルマン・ハウザーを参考に尾野氏オリジナルのしっかりとしたグリップ感のあるDシェイプで加工。

特別カスタムとして製作された本作は尾野氏としては珍しく名前が付けられており、今年2022年に惜しまれつつ逝去したこの稀代の巨匠への文字通りのオマージュとして、’Homenaje a J.L.Romanillos’ とラベルに書き込まれています。

提携製作家のオーダーをお考えのお客様は、下記URLよりお問い合わせ下さい。
https://www.guitarshop.jp/03custom_made2.php




〔商品情報〕
楽器名尾野 薫 Kaoru Ono
カテゴリ国産クラシック 新作
品番/モデルロマニリョスモデル カスタム Romanillos custom model No.334
弦 長650
日本 Japan
製作年2022年
表 板松単板 Spruce
裏 板楓 Maple
程 度※10
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ケース別売


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