ネック:セドロ指 板:エボニー塗 装:セラック糸 巻:ゴトー弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.6mm[製作家情報]1931年スペイン、マドリッド生まれ。1954年に当時サントス・エルナンデスの後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世の知己を得て、その工房に足繁く通いギター製作を学ぶこととなります。バルベロ1世がその2年後に52歳の若さで他界したあとは自ら工房を立ち上げ、後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホがスタッフに加わり、共に製作を続けていました。造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。[楽器情報]アルカンヘル・フェルナンデス 1960年製 クラシックモデルUsed、工房を立ち上げて間もない時期の作になります。このブランドのクラシックモデルとしては軽快で明るく乾いた音色で、後のような強靭で粘りのあるストイックな音色とは趣が異なり、円満にスペイン的な音響を備えた個体となっています。発音の感触や反応性もほとんどフラメンコ的とさえ言えるもので、それゆえ右手の演奏性という点でも楽に弾ける感覚があります。表面板の力木構造はアルカンヘル クラシックモデルの定型配置で、サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターの1本を境にして低音側に2本、高音側に3本が設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。さらに駒板の位置には駒板よりも少し長めの補強板が貼られています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。表面板はやはり後年の彼のギターと比較すると薄めで、上記の力木それぞれの加工も彼の楽器としてはややサイズの小さめな加工(一般的には普通の大きさ)になっており、ボディ重量も1.49㎏と軽めとなっています。表面板のサウンドホール高音側に一部、また指板脇低音側にも演奏時の爪による掻き傷があり一部木地が露出しているところがあります。横裏板はアルカンヘルらしい柾目のブランジリアン・ローズウッド。演奏時に腕や胸の当たる部分はその摩擦による若干の塗装変色があります。裏単のネックヒール近くには10センチほどの割れ修理歴がありますがしっかりと補強修理が施されていますので現状での問題はありません。裏板はおそらく過去に一度取り外されてオーバーホールが施されております。ネックやフレット等の演奏性にかかわる点での問題はありません。糸巻きもオリジナルのフステロよりGOTOH製のアルカンヘルモデルに交換されており、外観的に変色等は見られますが動作状況は良好です。
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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.6mm
[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。1954年に当時サントス・エルナンデスの後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世の知己を得て、その工房に足繁く通いギター製作を学ぶこととなります。バルベロ1世がその2年後に52歳の若さで他界したあとは自ら工房を立ち上げ、後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホがスタッフに加わり、共に製作を続けていました。造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。
[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 1960年製 クラシックモデルUsed、工房を立ち上げて間もない時期の作になります。このブランドのクラシックモデルとしては軽快で明るく乾いた音色で、後のような強靭で粘りのあるストイックな音色とは趣が異なり、円満にスペイン的な音響を備えた個体となっています。発音の感触や反応性もほとんどフラメンコ的とさえ言えるもので、それゆえ右手の演奏性という点でも楽に弾ける感覚があります。表面板の力木構造はアルカンヘル クラシックモデルの定型配置で、サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターの1本を境にして低音側に2本、高音側に3本が設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。さらに駒板の位置には駒板よりも少し長めの補強板が貼られています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。表面板はやはり後年の彼のギターと比較すると薄めで、上記の力木それぞれの加工も彼の楽器としてはややサイズの小さめな加工(一般的には普通の大きさ)になっており、ボディ重量も1.49㎏と軽めとなっています。
表面板のサウンドホール高音側に一部、また指板脇低音側にも演奏時の爪による掻き傷があり一部木地が露出しているところがあります。横裏板はアルカンヘルらしい柾目のブランジリアン・ローズウッド。演奏時に腕や胸の当たる部分はその摩擦による若干の塗装変色があります。裏単のネックヒール近くには10センチほどの割れ修理歴がありますがしっかりと補強修理が施されていますので現状での問題はありません。裏板はおそらく過去に一度取り外されてオーバーホールが施されております。ネックやフレット等の演奏性にかかわる点での問題はありません。糸巻きもオリジナルのフステロよりGOTOH製のアルカンヘルモデルに交換されており、外観的に変色等は見られますが動作状況は良好です。