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ホセ・ルイス・ロマニリョス 1世 J. L. Romanillos Ⅰ



SOLD OUT
〔製作家情報〕
1932年スペイン マドリッド生まれ。
10代の頃は同地の家具製作工房で働き、1956年にイギリスに移住。移住した当初は病院で働いていましたが、1961年に純粋にプライベート用として独学でギターを製作します。1969年には名手ジュリアン・ブリームの知己を得て、彼はロマニリョスの非凡な才能をすぐに見抜き、ウィルトシャー、セムリーにある自身の敷地内に工房を作らせて製作家として独立することをすすめます。所有していた数々の名器の中でも、ロマニリョス1973年製のギターは長年ブリームのお気に入りの一本となった事は良く知られています。彼はまた大変な碩学としても知られ、名著の誉れ高い「アントニオ・デ・トーレス」を上梓するなど執筆業でも高い評価を得ているほか、その知識を活かして後進の指導にも尽力。毎年シグエンサにてギター製作の講習会を息子のリアム、ゲルハルト・オルディゲスやステファン・リーズをアシスタントにして開催していたことは彼の教育熱心な面をよく物語っています(2001年の講習会には尾野薫、田邊雅啓、中野潤、佐久間悟が参加)。

ブランドは1991年より息子のリアムが共同作業に正式に加わり、ラベルもJose Luis Romanillos&Son に変更、現在に至っています。今年2020年には、彼の講習会のアシスタントを務めていたJosep Melo氏によりロマニリョス1993年以降の製作史を総括する大著「Romanillos Guitarras The Guijosa Period 1993~2015」が上梓され、現役最大の巨匠としていままた世界的に更なる評価の高まりを見せています。

〔楽器情報〕
ホセ・ルイス・ロマニリョス1世 1974年作、‘La Prematura’です。彼の製作家としての才能を高く評価していた名手ジュリアン・ブリームのすすめにより、イギリス、セムレーの彼が所有する敷地内で工房を持ち、まさに意気揚々とそのキャリアを漕ぎ出した時期のもの。トーレス=ハウザーを規範として様々な構造でギターを作り続けてきたこの製作家にとって、彼自身の言葉にもあるように一つとして同じ楽器はないと言えるのですが、本器は最も敬愛するトーレスを踏襲しつつも、独自の構造的な工夫がなされ、その後の代表的な配置構造の萌芽とも言える造りとなっています。内部構造はサウンドホール上に2本、下に1本のハーモニックバー、そしてボディの肩の位置から真直ぐ2本の力木がバーと垂直にサウンドホール下のハーモニックバーに伸びており、途中2本のバーをトンネル状にくぐりぬけています。このサウンドホールの横をバーを貫通して配された2本の力木は低音側にのみで、高音側には配置されておりません。扇状力木は左右対称7本でボトム部にはハの字型のクロージングバー、駒真下位置にはパッチ板があてられています。レゾナンスはGの少し下に設定されています。糸巻きはライシェル製を装着。

1970年代初期のロマニリョスらしい、力強く芯がある響きながらも柔らかな奥行きを持った、よりスペインのヴィンテージの味わいを感じさせる音色。木質のヴィヴィッドな発音が素晴らしく、和音の豊かで雑味の無い響き、単音の凛とした音像、そして全体の表情の繊細な変化という点でも申し分がありません。製作家の初期の作とはいえ既に比肩するものの無いクオリティを確立していたことがうかがえる一本です。比較的コンパクトなラウンドシェイプのネックはフィット感が良く、左手の演奏時のストレスが少ないところも特に手の小さめな方にとっては嬉しいところでしょう。

弾き傷や打痕等は若干ありますが年代考慮すると標準的な状態と言えるでしょう。割れ等の修理履歴なく、またネック、フレット、糸巻きなど演奏性に関わる部分での状態も良好で問題ありません。





〔商品情報〕
楽器名ホセ・ルイス・ロマニリョス 1世 J. L. Romanillos Ⅰ
カテゴリ輸入クラシック 中古
品番/モデルLa Prematura #220
弦 長652mm
スペイン Spain 
製作年1974年
表 板松単板 Spruce
裏 板ローズウッド単板 Indian Rosewood
程 度※8
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ハードケース付属


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