ネック:セドロ指 板:エボニー塗 装:カシュー糸 巻:ゴトー弦 高:1弦 2.5mm/6弦 3.2mm〔製作家情報〕1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得しました。その時受賞したモデルと同デザインのものがPC(Paris Competition)モデルとして氏の現在のラインナップの中でも特に人気の一本となっています。河野賢氏が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に現在も製作を続けています。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得しています。〔楽器情報〕桜井正毅ブランドのラインナップの中ではミドルエンドに位置づけられている model P.C.(Paris Competition) いわゆるパリコンモデル 2018年 G1222A Used の入荷です。文字通り1988年のコンクール入賞作をベースとして、その後の研究によるアップデートを加えた、ブランドコンセプトの粋を集めたような1本です。明るく艶やかな音像、その各音(と各弦)の均質性、速い反応と十分なサスティーン、そして非常な音圧の高さなど、奏者がストレスを感じることがほとんどないような音響設計で、またタッチの許容範囲がとても広く、倍音の響きもとても豊かなので演奏のムラが顕在化しにくく楽曲の形を整えやすいのもこのブランドの魅力でしょう。スパニッシュギターのような遠近感や濃密なロマンティシズムとは異なり、むしろ桜井氏独自の純粋に工学的アプローチによるバランスフルな響きが追及され、様々なタイプの楽曲に対応できるオールマイティな表現力へと結実しています。表面板内部構造は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、そしてこれらとは形状の異なる低いトランスヴァースバーがブリッジ部に一本と5センチほど離れてサウンドホール側とボトム側にも1本ずつが設置されており、この3本のトランスヴァースバーとほぼ直角に交差する形で計5本の扇状力木が設置されています。この5本の扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に3本、低音側に1本(表面板低音側の半分のほぼ中央の位置に独立するように)が配されており、さらにこれらの力木とバーの交差により升目となった部分に2箇所、3cm四方の薄い木製のパッチ板が貼り付けられているという全体の構造。先代の河野賢的な構造原理に依拠しながらも、音響特性をより高める工夫(例えば木製パッチ板を点在させる方法など)が施されており、より現代的に、そしてコンサートギタリストの高い要求に応え得る機能性を備えたものとなっています。レゾナンスはG# の下(G~G#)に設定されています。全体はカシュ―塗装による艶やかな仕上げで、横裏板にはマダガスカルローズウッドを使用、外観の高級感もまたこのブランドの特徴となっています。表面板指板脇(低音側)に若干の浅いスクラッチ傷、ブリッジ下部分の弦交換時についたと思われる細かな傷以外はとてもきれいな状態を維持しています。横裏板もほんのわずかな衣服による擦れのみのきれいな状態。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでわずかに摩耗見られますが演奏性には影響のないレベルです。ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプでグリップ感が良く、ここでも人間工学的なアプローチが追及されています。弦高は2.5/3.2mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~3.0mmほどの余剰がありますのでお好みに応じて設定を低くすることも可能です。
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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.5mm/6弦 3.2mm
〔製作家情報〕
1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得しました。その時受賞したモデルと同デザインのものがPC(Paris Competition)モデルとして氏の現在のラインナップの中でも特に人気の一本となっています。
河野賢氏が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に現在も製作を続けています。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得しています。
〔楽器情報〕
桜井正毅ブランドのラインナップの中ではミドルエンドに位置づけられている model P.C.(Paris Competition) いわゆるパリコンモデル 2018年 G1222A Used の入荷です。文字通り1988年のコンクール入賞作をベースとして、その後の研究によるアップデートを加えた、ブランドコンセプトの粋を集めたような1本です。
明るく艶やかな音像、その各音(と各弦)の均質性、速い反応と十分なサスティーン、そして非常な音圧の高さなど、奏者がストレスを感じることがほとんどないような音響設計で、またタッチの許容範囲がとても広く、倍音の響きもとても豊かなので演奏のムラが顕在化しにくく楽曲の形を整えやすいのもこのブランドの魅力でしょう。スパニッシュギターのような遠近感や濃密なロマンティシズムとは異なり、むしろ桜井氏独自の純粋に工学的アプローチによるバランスフルな響きが追及され、様々なタイプの楽曲に対応できるオールマイティな表現力へと結実しています。
表面板内部構造は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、そしてこれらとは形状の異なる低いトランスヴァースバーがブリッジ部に一本と5センチほど離れてサウンドホール側とボトム側にも1本ずつが設置されており、この3本のトランスヴァースバーとほぼ直角に交差する形で計5本の扇状力木が設置されています。この5本の扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に3本、低音側に1本(表面板低音側の半分のほぼ中央の位置に独立するように)が配されており、さらにこれらの力木とバーの交差により升目となった部分に2箇所、3cm四方の薄い木製のパッチ板が貼り付けられているという全体の構造。先代の河野賢的な構造原理に依拠しながらも、音響特性をより高める工夫(例えば木製パッチ板を点在させる方法など)が施されており、より現代的に、そしてコンサートギタリストの高い要求に応え得る機能性を備えたものとなっています。レゾナンスはG# の下(G~G#)に設定されています。
全体はカシュ―塗装による艶やかな仕上げで、横裏板にはマダガスカルローズウッドを使用、外観の高級感もまたこのブランドの特徴となっています。表面板指板脇(低音側)に若干の浅いスクラッチ傷、ブリッジ下部分の弦交換時についたと思われる細かな傷以外はとてもきれいな状態を維持しています。横裏板もほんのわずかな衣服による擦れのみのきれいな状態。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでわずかに摩耗見られますが演奏性には影響のないレベルです。ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプでグリップ感が良く、ここでも人間工学的なアプローチが追及されています。弦高は2.5/3.2mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~3.0mmほどの余剰がありますのでお好みに応じて設定を低くすることも可能です。