New Arrival
HOLD
SOLD OUT
〔商品情報〕
楽器名 | ホセ・ビヒル Jose Vigil |
カテゴリ | 輸入クラシック 新作 |
品番/モデル | アウラオリジナルモデル Aura Original model No.138 |
弦 長 | 640mm |
国 | スペイン Spain |
製作年 | 2025年 |
表 板 | 松 Solid Spruce |
裏 板 | 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood |
程 度※ | 10 |
定 価 | 1,540,000 円 |
販売価格(税込) | 1,232,000 円 |
付属品 | ハードケース付属 |
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シャーラー・グランドチューン(スネークウッド)
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.4mm
[製作家情報]
ホセ・ビヒル Jose Vigil 1979年 スペイン、アストゥーリアス生まれ。音楽家の父親のもと幼いころから音楽に囲まれた環境で育ちました。家具木工の勉強をしながらもギター製作への情熱やみがたく、グラナダに最初の工房を開きます。同地の名工アントニオ・マリンやラファエル・モレーノ、ジョン・レイなどの工房に足繁く通い、彼らの貴重なアドバイスをもとに自身の製作美学を洗練させてゆきます。演奏者が音楽表現に自由に集中できることをモットーとする彼の楽器は、材の選択、製作過程における環境の整備から楽器の細部に至るまで、細心の配慮を維持して完成されており、実に高い精度を備えたものとなっています。素直でしっかりした発音、やや太めのふくらみのある響きは師であるアントニオ・マリンを思わせるところもあり、耳によく馴染みます。若さと洗練が同居しているあたりは、伝統に深い敬意を払いながらも現代的なものを志向する近年の優れた若手にみられる傾向ですが、慎ましさの中にそれが表現されているのがこの作家の大きな魅力でしょう。新時代を担う製作家として、アウラが注目する一人です。
〔楽器情報〕
ホセ・ビヒル 2024年新作 です。ビヒル氏がアウラモデルとしてエクスクルージブな仕様で製作してくれた1本。アントニオ・マリンに代表される現代のグラナダ的特性を身体の芯にまで沁み込ませてきたであろうこの若き製作家の、そのみずみずしさが漲った新作です。
木を叩くような生々しい木質感とともに、いかにもグラナダらしい明るい発色の、さらりとした肌理の音像がたっぷりとしたエコーをともないながら発される、その清冽なプロジェクションとインパクトのある音圧はやはり彼の重要なメンターであるアントニオ・マリンを想起させるところがあります。しかしながらそのアンダルシア的明朗さはぎりぎりのところで彼ならではの洗練を経て、解放的ながらもどこか慎ましさが同居したような(ある意味製作家自身の姿であるような)、いかにも彼らしい gentleness こそがこのギターの魅力と言えるでしょう。上述の「木を叩いたような」アタック感のある発音は同時にタッチの擦過の感触も生々しく音像化し、いかにもギターらしい「爪弾き」の音の身振りが現れます。スペインギターとしての情緒と表情の変化にも不足なく、反応も素晴らしい、まさしく機能性と表現力の両方において優れたモデルとなっています。
表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に長短1本ずつのハーモニックバー、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、ボディ下部は左右対称5本の扇状力木、駒板の、さらに厳密にいえばサドルの位置には幅1センチほどの補強板がほぼ横幅いっぱいにわたって設置されているという全体の配置。クロージングバーは設置されていません。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。上記の力木配置はアントニオ・マリンのブーシェモデルを直ちに想起させるものですが、ビヒル氏はここで、ブーシェモデルではブリッジ(サドルの位置)に設置されているいわゆるトランスヴァースバーをその設置範囲を一にしながら、サイズをほぼ補強プレートに近いほんの数ミリの薄さ’中央部分のみやや高めにしてあります)に設定することでブーシェモデル的構造を彼なりに再構成していると言えます。
今回入荷のモデルは640mmスケールに加え、もともと薄めで丸みのある形状で作られたネックは非常にグリップ感がコンパクトで演奏性が高く、左手のストレスを軽減しています。弦高値も2.8/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)とクラシックのしかもショートスケールモデルとしての初期設定としては低めになっています。そして弦の張りはやや強めの設定になっており、音にはしっかりとした張りと力強さがあります。
ショップオリジナルモデルとして製作家が特別にセレクトした表面板の松、横裏板の中南米産ローズウッドともに良材で、華やかさや凝った意匠は避け、しかしながら細部まで精緻な工作精度が行き届いた全面セラックによる美しい外観も凛として上品な佇まいとなっています。