[ブランド情報] Milestones of Music マイルストーンズ・オブ・ミュージック。ドイツ人製作家ヴォルフガング・イェリングハウス(1951~2024)により設立され、本人の徹底した監修により19世紀ギター(ロマンティックギター)やトーレスといった歴史的名器のレプリカモデルを中心としたラインナップを展開しているブランドです。
イェリングハウスはドイツ、ドルトムントの生まれ、ギター製作家である父親のウォルターから幼少のころより手ほどきを受けていたといいます。1978年自身の楽器店Musik Jellinghaus GmbHを設立、おもに経営のほうに携わっていましたが1980年代以降自身も製作に関与していきます(※Musik Jellinghausは2013年にベルリンの会社Just Musicに買収され、その後2021年に閉鎖されたあとはMusik Center Dortmund として楽器販売、教育、イベントの総合施設としてリニューアルされ、現在に至るまで同地の音楽文化発信に寄与する存在となっています)。1983年には日本でも入門ギターとして有名なMartinez Guitars を設立し、初期ラインナップの設計を担当。その後Martinez は中国に資本が移りますが、この中国へのマーケット拡大が彼の次のビジネス展開への足がかりになったことは容易に察せられ、2013年にMusik Jellinghausを売却後、中国にMilestones Luthier Center(MLC)を設立し、ブランドMilestones of Music を稼働させます。彼はここでより自身の嗜好をクローズアップしたカタログを構成し、ルネ・ラコートやトーレスといった歴史的名器のレプリカモデルをリーズナブナな価格で展開します。前述のMartinezなどとは異なり10人ほどの少数スタッフによる丁寧なハンドメイドで、こうしたヴィンテージギターの愛好家の好みにフィットする商品開発(造りと音色そしてヴィジュアルにおいて)を行い、限定的な出荷数ながら世界中にマーケットを拡大しています。
[楽器情報] マイルストーンズ・オブ・ミュージック の19世紀ギター(ロマンティックギター)モデル ‘Romantica’ EF 2021年 No.210704 Used の入荷です。このジャンルにおける代表的ブランドの一つ ルネ・フランソワ・ラコート(1785~1868)のギターをもとに、程よく現代性をまとわせたMilestones らしいモデル。同じRomantica モデルでは別にヴィンテージ加工(経年使用による傷や塗装色味などの変化をあらかじめ外観に施してある、いわゆるレリック加工)が施されたモデルもありますが、こちらはいわば通常版。口ひげのような形をしたいわゆる‘mustache bridge’ 、着脱方式のネックスタイルを外形上取り入れたネックジョイント(実際には通常のスペイン方式でセッティングされていますが12フレットより上の部分が表面板に接触せず浮いたようになっており、表面板もサウンドホールからネックヒール方向に傾斜して厚みが薄くなるように作られているため、外観上はレイズドフィンガーボードのように見える)、独特なプロポーションの表面板、そしてスクエアなヘッドシェイプなど「19世紀的」なデザインを案配し、表面板松、横裏板フレイムメイプルのさわやかな色味を活かした上品なセラック塗装による全体の外観はいかにも古雅な佇まい。
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:Der Jung
弦 高:1弦 2.9mm /6弦 4.1mm
[ブランド情報]
Milestones of Music マイルストーンズ・オブ・ミュージック。ドイツ人製作家ヴォルフガング・イェリングハウス(1951~2024)により設立され、本人の徹底した監修により19世紀ギター(ロマンティックギター)やトーレスといった歴史的名器のレプリカモデルを中心としたラインナップを展開しているブランドです。
イェリングハウスはドイツ、ドルトムントの生まれ、ギター製作家である父親のウォルターから幼少のころより手ほどきを受けていたといいます。1978年自身の楽器店Musik Jellinghaus GmbHを設立、おもに経営のほうに携わっていましたが1980年代以降自身も製作に関与していきます(※Musik Jellinghausは2013年にベルリンの会社Just Musicに買収され、その後2021年に閉鎖されたあとはMusik Center Dortmund として楽器販売、教育、イベントの総合施設としてリニューアルされ、現在に至るまで同地の音楽文化発信に寄与する存在となっています)。1983年には日本でも入門ギターとして有名なMartinez Guitars を設立し、初期ラインナップの設計を担当。その後Martinez は中国に資本が移りますが、この中国へのマーケット拡大が彼の次のビジネス展開への足がかりになったことは容易に察せられ、2013年にMusik Jellinghausを売却後、中国にMilestones Luthier Center(MLC)を設立し、ブランドMilestones of Music を稼働させます。彼はここでより自身の嗜好をクローズアップしたカタログを構成し、ルネ・ラコートやトーレスといった歴史的名器のレプリカモデルをリーズナブナな価格で展開します。前述のMartinezなどとは異なり10人ほどの少数スタッフによる丁寧なハンドメイドで、こうしたヴィンテージギターの愛好家の好みにフィットする商品開発(造りと音色そしてヴィジュアルにおいて)を行い、限定的な出荷数ながら世界中にマーケットを拡大しています。
[楽器情報]
マイルストーンズ・オブ・ミュージック の19世紀ギター(ロマンティックギター)モデル ‘Romantica’ EF 2021年 No.210704 Used の入荷です。このジャンルにおける代表的ブランドの一つ ルネ・フランソワ・ラコート(1785~1868)のギターをもとに、程よく現代性をまとわせたMilestones らしいモデル。同じRomantica モデルでは別にヴィンテージ加工(経年使用による傷や塗装色味などの変化をあらかじめ外観に施してある、いわゆるレリック加工)が施されたモデルもありますが、こちらはいわば通常版。口ひげのような形をしたいわゆる‘mustache bridge’ 、着脱方式のネックスタイルを外形上取り入れたネックジョイント(実際には通常のスペイン方式でセッティングされていますが12フレットより上の部分が表面板に接触せず浮いたようになっており、表面板もサウンドホールからネックヒール方向に傾斜して厚みが薄くなるように作られているため、外観上はレイズドフィンガーボードのように見える)、独特なプロポーションの表面板、そしてスクエアなヘッドシェイプなど「19世紀的」なデザインを案配し、表面板松、横裏板フレイムメイプルのさわやかな色味を活かした上品なセラック塗装による全体の外観はいかにも古雅な佇まい。
表面板内部構造もまたこのコンセプトに沿っており、サウンドホールの上側(ネック側)に1枚の補強板と1本のバー、下側(くびれ部より下)には1本の水平のバーと低音側から高音側に向かって斜めに下がってゆくように設置されたもう1本のバー、という全体の配置。いわゆる扇状力木構造ではなく、バー(と一部補強板)のみで形成される表面板設計。レゾナンスはA# の少し上に設定されています。表面板と横板との接合部分には通常のペオネス(三角型の木製ブロック)が設置されています。
音響についてもしっかりと19世紀的ニュアンスをだしており、撥弦の感覚そのものが木にじかに触れているかのような発音、さらさらとした触感の音像が耳に心地よい。またタッチに対する鋭敏な反応、意外なほどの音圧の迫力(この辺りはラコートよりも例えばD&A Roudlof を思わせるところがあります)、実に繊細な表情の変化なども音楽的身振りにしっかりと寄与しており、こうした表現面でのポテンシャルも優れたものがあります。
表面板に数か所の軽微な弾きキズやスクラッチ痕がありますが目を近づけてそれと認識できるレベルのもので、横裏板はほとんどキズもなく全体にきれいな状態です。ネック、フレットも正常値を維持しています。ネックシェイプはどちらかと言えば現代のギターのほうに近く、薄めのDシェイプになっています。弦高値は2.9/4.1mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。弦長は630mm、指板は高音側20フレット仕様。全体の重量は1.20㎏。糸巻はDer Jung製のスクエアプレートをヘッド木部に埋め込んで装着されており、弦によってはツマミの動作に若干の遊びがあるものの機能的には問題ありません。ブランドオリジナルハードケース付き。