ネック:マホガニー指 板:エボニー塗 装:ラッカー糸 巻:スローン弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm〔製作家情報〕今井勇一 Yuichi Imai 1949年東京生まれ。1967年高校卒業と同時に中出輝明の工房に入りギター製作を学びます。1971年独立し自身の工房を開設、その後国内だけでなく海外への積極的な販路拡大を行い、国際的な評価を高めてゆきます。エルナンデス・イ・アグアドの中出輝明による日本的なアナライズを経て、そのポテンシャルを非常な音圧を有したバランスフルな楽器として着地させた氏のギターは主にコンサートギタリストを中心に現在では不動の評価を得ています。〔楽器情報〕今井勇一 製作 モデルYJ-1 1994年製 No.940650-A Usedの入荷です。現在「Limited」として知られるもので、このブランドのフラッグシップモデルとなっています。表面板の力木構造も現在のLimited にほぼ引き継がれており、サウンドホール上側の縁ぎりぎりにまで伸びているネックの脚の両側(高音側と低音側)にそれぞれ3本のバーと1枚の三角形の補強板が設置されており、ホールの両側も一枚ずつの補強板、ホール下側(ブリッジ側)は1本のハーモニックバーが設置され、扇状力木は左右対称に7本、これらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバー駒板位置には横花いっぱいにわたって1.5mm程の厚みのパッチ補強がされているという全体の設計。レゾナンスはG#の下に設定されています。このブランドを語るときにまずその特徴として挙がる音圧の非常な高さは本器においても聴かれ、おそらくこの点においては国内随一ではないかと思わせるほど。これに伴うダイナミズムの振幅も見事。音色は明るく、クリスタルとさえいえる艶やかさがあります。すべての音が同じ強い力で前に向かってくるような音響で、各音ごとの遠近感が自然に生まれるヨーロッパの伝統的な響きというよりはむしろモダンギター的なフラットなバランス感覚。それゆえに古典から現代までのあらゆるジャンルに対応できるオールマイティな機動力があり、この点もコンサートギタリストの評価が高い所以でしょう。割れなどの大きな修理歴はありません。表面板はサウンドホール高音側の1弦に沿った部分にやや多めに爪キズ見られます。その他は軽微な打痕等数か所にあるのみで全体的に傷は少なめです。裏板はわずかに塗装の白濁ありますが外観を著しく損ねるものではなく、また傷もわずかに衣服による経年の擦れのみとなっています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、指板高音側は20F仕様になっています。ネックはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットは適正値を維持しています。弦高値は3.0/4.0(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0~1.0mmとなっています。 糸巻はSloane 製を装着、現状で動作状況に問題ありません。
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ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm
〔製作家情報〕
今井勇一 Yuichi Imai 1949年東京生まれ。1967年高校卒業と同時に中出輝明の工房に入りギター製作を学びます。1971年独立し自身の工房を開設、その後国内だけでなく海外への積極的な販路拡大を行い、国際的な評価を高めてゆきます。エルナンデス・イ・アグアドの中出輝明による日本的なアナライズを経て、そのポテンシャルを非常な音圧を有したバランスフルな楽器として着地させた氏のギターは主にコンサートギタリストを中心に現在では不動の評価を得ています。
〔楽器情報〕
今井勇一 製作 モデルYJ-1 1994年製 No.940650-A Usedの入荷です。現在「Limited」として知られるもので、このブランドのフラッグシップモデルとなっています。表面板の力木構造も現在のLimited にほぼ引き継がれており、サウンドホール上側の縁ぎりぎりにまで伸びているネックの脚の両側(高音側と低音側)にそれぞれ3本のバーと1枚の三角形の補強板が設置されており、ホールの両側も一枚ずつの補強板、ホール下側(ブリッジ側)は1本のハーモニックバーが設置され、扇状力木は左右対称に7本、これらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバー駒板位置には横花いっぱいにわたって1.5mm程の厚みのパッチ補強がされているという全体の設計。レゾナンスはG#の下に設定されています。
このブランドを語るときにまずその特徴として挙がる音圧の非常な高さは本器においても聴かれ、おそらくこの点においては国内随一ではないかと思わせるほど。これに伴うダイナミズムの振幅も見事。音色は明るく、クリスタルとさえいえる艶やかさがあります。すべての音が同じ強い力で前に向かってくるような音響で、各音ごとの遠近感が自然に生まれるヨーロッパの伝統的な響きというよりはむしろモダンギター的なフラットなバランス感覚。それゆえに古典から現代までのあらゆるジャンルに対応できるオールマイティな機動力があり、この点もコンサートギタリストの評価が高い所以でしょう。
割れなどの大きな修理歴はありません。表面板はサウンドホール高音側の1弦に沿った部分にやや多めに爪キズ見られます。その他は軽微な打痕等数か所にあるのみで全体的に傷は少なめです。裏板はわずかに塗装の白濁ありますが外観を著しく損ねるものではなく、また傷もわずかに衣服による経年の擦れのみとなっています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、指板高音側は20F仕様になっています。ネックはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットは適正値を維持しています。弦高値は3.0/4.0(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0~1.0mmとなっています。 糸巻はSloane 製を装着、現状で動作状況に問題ありません。