ネック：セドロ
指　板：エボニー
塗　装：ポリウレタン
糸　巻：ゴトー
弦　高：1弦 2.8mm ／6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1948年スペイン、バレンシア生まれ。15歳の時に地元バレンシアの工房Esteve Guitars(Francisco Esteve) に入り職人として働き始めます。同工房でも指折りの優秀な職人として認識されるようになり、やがてファクリ―の中で個別のセクションを与えられ自身のラベルによるモデルラインナップを展開します。彼の工房は彼の息子アルフレッドを含め5人に満たない少数の職人で構成されており、完全ハンドメイドの良質なギターをコンスタントに国内外に出荷し、高い評価を得ています。ステューデントモデルからコンサートギタリスト向けのプロフェッショナルモデル、19世紀仕様、多弦モデル、そしてラティス構造などモダンタイプに至るまで幅広く展開。ストレスのない迫力のある音響、明朗で表情豊かな音色、初心者でも弾き易い演奏性の追求などの実用性の高さに加え、各モデルにおけるデザインや仕上がりの豪華さ、行き届いた造作の確かさなど、ファクトリーブランドとしてのクオリティは一頭地を抜くものがあります。

[楽器情報]
ホアン・エルナンデス ロマニリョスモデル 2011年製Used No.65 の入荷です。楽器店オリジナルのカスタムモデルとして製作されたモデルでその後日本限定で定番化したもの。準拠しているのはもちろんスペインの名工ホセ・ルイス・ロマニリョス（1932～2022）のギターで、有名なロゼッタデザイン、ヘッドシェイプからボディ内部の力木構造まで、若干簡略化した形ではあるものの不足のないレベルで着地させており、カスタムでの製作にも柔軟な対応力を見せるこのブランドの面目躍如と言える仕上がり。どちらかと言えば音響的には、ロマニリョスのぎりぎりの抑制の美学とは異なり、いつもながら屈託なく開放的で、非常な音圧の高さと迫力ある鳴り方がやはりホアン・エルナンデスらしい。

表面板サウンドホール周りと駒下位置にわずかに軽微な傷が数か所あるほかは新品同様言ってよいほどの美品です。割れや改造などの修理履歴もありません。ネックはほんのわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットも適正値を維持しています。ネックシェイプは薄めのDシェイプで握りやすく、ボディサイズも彼の通常モデルと比べるとかなり小振りなので、全体にコンパクトな印象があります。弦高値は2.8/3.8㎜（1弦/6弦 12フレット）でサドルには2.0～2.5㎜の余剰がありますのでお好みに応じてさらに低く設定することが可能です。