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ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III



New Arrival
〔商品情報〕
楽器名ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III
カテゴリ輸入クラシック 中古
品番/モデル1a No.13209
弦 長664mm
スペイン Spain
製作年1979年
表 板杉 Solid Ceder
裏 板インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
程 度※7
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ハードケース黒

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 ポリウレタン
   :横裏板 ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm / 6弦 5.2mm


[製作家情報]
ホセ・ラミレス Jose Ramirez スペイン、マドリッドのクラシックギターブランドで、ホセ・ラミレス1世(1858~1923)、2世(1885~1957)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってクラシックギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

4世亡きあとアマリアは彼の意を継いでより柔軟な商品開発、生産ラインの監修、そして4世の子供たち、クリスティーナとホセ・エンリケの二人の姉弟の工房スタッフとしての教育に心血を注ぎます(二人は2006年から工房で働き始めています)。現在二人は正式にブランドを継承し、クリスティーナ(グラフィックデザイナー、音響技術者としての資格も有する)がマーケティングプロジェクト全般を、ホセ・エンリケが製作と工房運営を担当しています。

名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルは現在も人気があり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世 1A No.13209 1979年製Usedです。ボディ内部のネック脚部分には「18」のスタンプが押されており、これはブランド公式リストで Manuel Alonso Gimenez(MAG)による製作となっています。

1964年にその基本設計が完成され、1986年頃を境として弦長を664mmから650mmに短くすることで「C-650」という異なるアイデンティティを持つことになるモデル1Aは、このおよそ20年の間にも主に時代的な要請に合わせて設計や仕様を変え続けてきています。1960年代の末頃から70年代のラミレスではネックのボディに対する差し込み角が深くなり、同時に指板は6弦側から1弦側にかけてかなりの傾斜角で設定され、その結果弦高値が低音から高音かけて一気に低くなってゆくような独特の演奏性を確立します。またこれによって全体の立体感と音圧における迫力が更に増大し、この時期のコンサートギターにおける一つの定式を作り上げたと言えます。

響きに関しても1970年代前半までの、撥弦に対する響箱のパーカッシブな反応と、これでもかというほどの濃密なコクのある音(これこそが「ラミレストーン」という呼称を付されるきっかけになったのですが)とは異なり、表面板の弾性を活かした粘りのある発音と引き締まった音像が1979年製の本器においては魅力的な特質となっています。引き締まってはいてもやはりこのブランドならではの響箱の容量を活かしたたっぷりとした奥行きや密度はしっかりと備わっており、加えてタッチに堅実に反応する歌心も十全に聴かれるので、「ラミレストーン」をなんと言っても求めるこのブランドのファンの要求にも応えるものとなっています。さらに言えば高音が前景化しすぎてしまう(重心の位置が高めな)全体の音響設計になりがちなこのモデルにおいて、中低音~低音の適切な「低さと重さ」を備えた重心設定がなされており、十分な粘りをもった低音部からよく歌う高音部へ自然に移行し、音楽的にバランスフルな全体の響きとなっていることも特筆すべき点となっています。

機能性においてはタッチに対する反応が素晴らしく、たっぷりとした響きとともに「速さ」のベクトルを備えた音が指にシンクロするように現れてくるのがなんとも心地良い。深い角度で組み込まれたラミレス独特のネック設定は弦高値で表すまでもなく見た目でもアクロバティックとさえ言えるものですが、しかしながらこれがイメージするよりも実際は弾き易く、演奏性におけるラミレスの大胆な発想が逸脱をぎりぎりのところで避ける絶妙な設定で着地していることがわかります。ラミレスが機能的、設計的にかなり先鋭的な挑戦をおこないながら、その主眼とするところがあくまでもギターとしての表現性であったことは現在再考する十分な価値があると言えるでしょう。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、そしてこの下側バーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側上部から高音側下部に向かって下がってゆくようにして斜めに交差するもう一本のバーを設置。この交差する2本のバーの低音側にはそれぞれ長さ4㎝×高さ2mmほどの開口部が設けられています。サウンドホール周りはちょうどロゼッタの範囲を補強するように円形に薄い補強板が貼られています。表面板下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーが逆ハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長い補強板が貼られています。レゾナンスはG#に設定されています。

裏板下部低音側に木目に沿って10cmほどの割れ補修歴がありますが適切な処置が為されており今後の継続使用には問題ございません。その他再塗装や改造などの大きな修理履歴はなく、経年数考慮すると良好な状態を維持しています。表面板は指板脇やサウンドホール周りに点のような小さく軽微な傷があるのみで、横裏板も衣服の摩擦等がわずかに見られるのみのきれいな状態です。ネックは厳密に言えばほんのわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットもほんのわずかに摩耗見られますが演奏性や音には影響ありません。ネック形状は薄めのDシェイプで指板は若干のラウンド加工がされています。ナット幅は53mmであるの対しナット弦幅は45.5mmと広い設定になっています、ただしサドル上の弦幅は55.5mmと通常よりもやや狭い設定になっています。弦高は3.0/5.2mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰はありません。全体の重量は1.64㎏。


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