[製作家情報] サンティアゴ・デ・セシリア Santiago de Cecilia スペイン、バルセロナに工房を構える、María Cecilia Saenz Rols と Juan Santiago Canals(ともに1977年 アルゼンチン生まれ)の共同製作によるブランド。サンティアゴは地元でギター演奏を学ぶうちに製作に興味をもち、1996年ラプラタ国立大学芸術学部に入学、優秀な成績を修めます。ここでの学業と平行してスペインギター製作に関する講習なども受講し、2003年には奨学金を得てスペインで最も権威ある音楽機関であるConservatori Superior de Música del Liceuの大学院で学びます。同機関の所在地であるバルセロナにて、彼は製作家のラウル・ヤーグェ、そしてホセ・アントニオ・レジェス・トーレスの知遇を得て楽器製作とそのマーケットについて学び、同地にてセシリアとともに工房を開くに至ります。セシリアは最初チェロ演奏を学んでいましたがサンティアゴと出会いギター製作に興味を持つようになります。サンティアゴとともに2003年スペインに渡り、彼女もまた彼と同じくヤーグェとレジェス・トーレスに製作の薫陶を受け、やがてサンティアゴ・デ・セシリアとして共同ブランドを開設、現在に至ります。
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.5mm/6弦 3.9mm
[製作家情報]
サンティアゴ・デ・セシリア Santiago de Cecilia スペイン、バルセロナに工房を構える、María Cecilia Saenz Rols と Juan Santiago Canals(ともに1977年 アルゼンチン生まれ)の共同製作によるブランド。サンティアゴは地元でギター演奏を学ぶうちに製作に興味をもち、1996年ラプラタ国立大学芸術学部に入学、優秀な成績を修めます。ここでの学業と平行してスペインギター製作に関する講習なども受講し、2003年には奨学金を得てスペインで最も権威ある音楽機関であるConservatori Superior de Música del Liceuの大学院で学びます。同機関の所在地であるバルセロナにて、彼は製作家のラウル・ヤーグェ、そしてホセ・アントニオ・レジェス・トーレスの知遇を得て楽器製作とそのマーケットについて学び、同地にてセシリアとともに工房を開くに至ります。セシリアは最初チェロ演奏を学んでいましたがサンティアゴと出会いギター製作に興味を持つようになります。サンティアゴとともに2003年スペインに渡り、彼女もまた彼と同じくヤーグェとレジェス・トーレスに製作の薫陶を受け、やがてサンティアゴ・デ・セシリアとして共同ブランドを開設、現在に至ります。
彼ら自身が語るようにそのギターはスペインの伝統的(トーレスやバルベロの名を挙げています)な工法に則った、良い意味で古風で、親しみのある、「ヴェルヴェットのような」音色が魅力とされています。
[楽器情報]
サンティアゴ・デ・セシリア 2014年製作 No.110 Used の入荷です。彼らが傾倒してきたスペインのオールドスクールの響きを衒いなく現代の感覚にフィットするように素直に、親しみやすい音色として着地させたような佳品で、小さめなボディにロゼッタ等の古風なデザインなど造りの丁寧さとまとまりのある心地良い響きが魅力の一本です。
表面板の力木構造もまたオーセンティックなもので、ウェストより上部分はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)一本ずつのハーモニックバーを設置し、上側バーとネック脚の間に薄い補強板、サウンドホール両側(高音側と低音側)に1本ずつの力木が近接する横板のカーブに沿うようにして2本のバーの間に設置されています。下部は左右対称5本の扇状力木とボトム部分に逆ハの字型に配置された2本のクロージングバー、駒板部分には横幅いっぱいに補強板が貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。
スペイン的な重厚さや清新さ、ある種のアクの強さといったものよりも優しく落ち着いた響きが特徴で、ふわりとしたエコーがあり、ほとんどモノトーンな感触さえある音のたたずまい。しかしながら必要に応じて情感や力強さを表出する十分なポテンシャルを備えており、これらが全体としてちょうどよいバランスで着地しているところがある意味現代的とも言えます。同時に全体に程よく古風な雰囲気を有しており、弾くだけで曲をひとつのまとまったトーンの中に自然に形成してゆくことができます。
セラック塗装による仕上げで、製作から10年ほどの経過ですが、かなり弾き込まれているため全体に弾きキズ打痕、塗装の擦れや変色などが経年数のわりには多く目立ちます。割れや改造などの大きな修理履歴はありません。ネックはわずかに順反りですが許容範囲内にとどまっており、フレットや指板は特に1~5フレットで摩耗目立ちますが演奏性には問題のないレベル。ネック裏も爪キズが全体についており、特に高音側は塗装がかなり摩耗しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。指板は高音側20フレット仕様。弦高値は3.5/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5mmあります。糸巻はスペインの老舗ブランドFustero 製を装着、現状で機能性には問題ありません。