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尾野 薫 Kaoru Ono



New Arrival
〔商品情報〕
楽器名尾野 薫 Kaoru Ono
カテゴリ国産クラシック オールド
品番/モデルトーレスモデル model Torres No.193
弦 長640mm
日本 Japan
製作年2009年
表 板松 Solid Spruce
裏 板バーズアイメイプル Solid Birdseye Maple
程 度※7
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ハードケース黒

ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板/セラック
   :横裏板/セラック
糸 巻:アレッシー
弦 高:1弦 2.6mm
   :6弦 3.6mm

〔製作家情報〕
尾野薫 Kaoru Ono(ラベルはCaoru Onoでプリントされています)1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学びます。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講しています。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開しています。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものとして高い評価を得ています。

尾野薫氏は2024年7月その生涯を終えられました。謹んで哀悼の意を表します。

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[楽器情報]
尾野薫 製作 2009年製 トーレスモデル No.193 640mmスケール Usedの入荷です。横裏板とヘッドプレートに見事な木目のバーズアイメイプルが使用し、全体は尾野氏ならではの濃密かつ端正な造作精度でまとめあげられた本作は、オリジナルトーレスにおける19世紀的な貴族性に通じるものさえ感じさせる、まさに逸品と言える1本となっています。

表面板内部構造はトーレス代表的な設計のひとつ。サウンドホール上側(ネック側)に長短1本ずつ計2本のハーモニックバー、下側(ブリッジ側)にも1本のハーモニックバーを設置し、サウンドホール周りはちょうどロゼッタの範囲をなぞるようにして補強プレートが貼られています。上記のホール下側ハーモニックバーは高音側と低音側とに一か所ずつ高さ数ミリ、長さ5cmほどの開口部が設けられています。ボディ下部は左右対称7本の扇状力木にこれらの下端をボトム付近で受け止めるように2本のクロージングバーがV字型になるように配置されています。7本の扇状力木のうち両横板に近接している各2本の計4本の上端は先述のホール下側ハーモニックバーの開口部をくぐり抜けてホール周りの補強プレートにまで延伸しており、さらにそこから連結するようにして短い力木が高音側と低音側各一本、近接する横板のカーブに沿うようにして設置されているというもの。また表面板と横板との接合部分に設置されるペオネス(接合を補強するために設置される小型の木製ブロック)は形、高さ、底面積の異なるものを交互に設置してゆくもので、これは尾野氏のオリジナルとなっています。

トーレスの特性と言える、撥弦の指にまとわりつくようにして発音される弾性感のある音。これはわかりやすく言えば爪弾きの感触ともいえるものなのですが、弦の振動の生々しさというよりもそれが構造によって洗練化されたような(つまり楽音としての密度をを獲得した)音として現出されます。そこには親密な響きがあり、全体にはギターにおける本当の意味でのまとまりがあり、自然な力強さと悠揚さとあたたかみがあり、そして表情の深いニュアンスがあります。こうしたトーレス的特徴を十全に備えるとともに、本器ではやはりメイプル材特有の真綿のような感触の音像が心地良く、古雅であると同時に現代的な要素が同居したまさしくトーレス的な個体となっているところが特筆されます。

しっかりと弾き込まれてきたため、表面板全体(特に指板両脇からサウンドホール高音側、駒板にかけて)には弾きキズのほかスクラッチ跡や打痕などがかなり多く見られます。駒板下1弦部分には弦とび跡もあります。上記のキズさほどに深くなく浅いものがほとんどなので外観の気品を著しく損なうものではありません。対して横裏板はわずかに衣服等による軽微な擦りキズありますが全体にきれいな状態を維持しています。ネック裏はセンターから高音側は細かな爪キズありますがこちらも軽微なもので演奏時の感触的にも気にならないレベルです。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~3フレットでやや摩耗ありますが問題のないレベル。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、弦高値は2.8/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余裕は1.0~1.5mmあります。糸巻はイタリア製高級銘柄アレッシー製を装着。


※参考記事「アントニオ・デ・トーレスの調べ」インストアライブ レポート
https://auranet.jp/salon/essay-report/torres-sirabe/

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尾野 薫 Kaoru Ono
金山 巌 Iwao Kanayama
野上 三郎 Saburo Nogami
茶位 幸信 Yukinobu Chai

※程度
10新作
9新品同様の美品
8年代から見て状態が良い
7年代から見て標準に近い状態
6状態は少し劣るが演奏性は良い
5状態は劣るが演奏上の問題は無い
4以下演奏性に問題がある楽器は、販売いたしません