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尾野 薫 Kaoru Ono
New Arrival
〔商品情報〕
楽器名 | 尾野 薫 Kaoru Ono |
カテゴリ | 国産クラシック 中古 |
品番/モデル | オリジナルモデル No.25 |
弦 長 | 650mm |
国 | 日本 Japan |
製作年 | 1989年 |
表 板 | 松単板 Spruce |
裏 板 | ローズウッド単板 Indian Rosewood |
程 度※ | 7 |
定 価 | 時価 |
販売価格(税込) | 330,000 円 |
付属品 | ハードケース黒 |
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指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック /横裏板:セラック
糸 巻:シャーラ-
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.2mm
〔製作家情報〕
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学ぶ。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講している。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開している。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものと言える。
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〔楽器情報〕
尾野薫製作の1989年製オリジナルモデル シリアルNo.25 Usedの入荷です。尾野氏最初期の作。スパニッシュギターの音響を忠実に志向しつつ、そこに自身の批評を反映させたようなモデルで、近年の透徹の極みともいえる音響設計へと至るまでの過程として非常に興味深い一本であるということに加え、当初から非凡な耳をもって製作にあたっていたであろうこの製作家の、この時期にだけしか生み出せなかった個性というものが刻印された愛すべき佳品となっています。
内部構造はサウンドホール上側に2本のハーモニックバー(うち一本はセダー材で平たく加工されたものを設置しており、この箇所の補強をより強固なものにしている、このアイデアは尾野氏のオリジナルというわけではないがあまり見られない)、下側に1本のハーモニックバー、そしてこのバーを起点にしてボトムまでは左右対称5本の扇状力木が配置されており、駒板の位置には(駒板の幅の半分ほどの)プレートが横幅いっぱいにわたって設置され、5本の扇状力木はその上を通過してゆくように設置されています。レゾナンスはGの少し上の設定。特徴的なのは駒板位置に設置された細いプレートと扇状力木との交差部分で、ブーシェやハウザーといった名工の影響を感じさせつつ、異なる構造と音響設計がここで試みられています。また裏板に設置されたバーはすべてスキャロップド(波上)加工がされています。重量は1.61㎏。
Bass成分を多く含んだ単音で、芯はしっかりと、しかしふくよかなエコーが加わっており耳に心地よい。このような特性からか音響全体でも特に中低音から低音にかけての柔和で力強い響きが魅力となっています。やや乾いた音色は素朴な味わいがあり、表情の「変化」は抑えぎみですが、表情そのものが音にすでにあります。
表面板は駒板まわりにやや表面板の波うちが生じていますが、今後に使用には全く問題ございません。全体に細かな弾き傷や打痕等ありますが割れ等の大きな修理履歴はなく年代相応の状態と言えます。ネック、フレット、糸巻等の演奏性にかかかわる部分も問題ありません。