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(No Label) Vienna Style
〔商品情報〕
楽器名 | (No Label) Vienna Style |
カテゴリ | 輸入クラシック オールド |
品番/モデル | ヴィエンナスタイル |
弦 長 | 636mm |
国 | 不明 |
製作年 | |
表 板 | 松単板 Spruce |
裏 板 | 楓単板 Maple |
程 度※ | 7 |
定 価 | 時価 |
販売価格(税込) | 275,000 円 |
付属品 | ソフトケース |
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指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック
糸 巻:不明
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.0mm
[楽器情報]
ラベル、ボディ内部の記載等なくブランドその他の詳細は不明ですが、様式、仕様、状態などから20世紀前半ヨーロッパ製と推測されます。ドイツの名工ヘルマン・ハウザーの有名な「ヴィエンナ」モデルとの共通点が多く、おそらくは多分にその影響を受けて作られたであろう1本。ネックはヒール部分でボディにボルトで固定されており、13フレットより上の指板は表面板から意図的に浮かせて設置しています。ネックとヘッドとの接合部はVジョイント方式。糸巻は単式のものでおそらくはドイツHofner社製のものかと思われますが、こちらも様式的に20世紀戦前の様式的特徴を持ったものとなっています。4弦のみ早い時期に交換されておりますが同じモデルのものに交換されており統一感を維持しております。
ボディは表面板松、横裏板フレイムメイプルのオール単板仕様で、裏板はやはりウィーン式ギターに特徴的なゆるやかなアーチをかけた加工。内部は表板に5本、裏板は4本のバーのみが設置されており、いわゆるスペイン的な扇状力木配置は見られません。レゾナンスはBの少し上に設定されています。
ハウザーのヴィエンナモデルが文字通り19世紀のウィーンで流行したモデル(特にシュタウファーのそれ)に想を得て作られていることからも、音色的に19世紀ロマンティックギター的な響きがここでも聴かれます。木質の角の取れたまろやかな音色はとてもナチュラルな感触で文字通り古雅な趣があり、ポーンという軽やかで粒立ちの良い発音が実に心地良い。そして意外にも太く、迫力を感じさせる低音も魅力的で、どこか現在の南米産ギターのようなニュアンスも感じさせます。
良質な木材を使用しており、表面板は恐らく乾燥等による割れの補修歴が数ヵ所ありますが、板自体の歪みや湾曲等はあまりありません。裏板は優美なアーチを描いて加工されていますが、このアーチ曲線の加工技術とそれをボディ内側から支えるバーの精緻な工作(ハウザー2世がセゴビアモデルで採用していた薄くとんがり型形状をしている)のと全く隙のない完璧な設置技術を見るだけでも、このギターがしっかりとした出自のものであることがうかがえます。
表面板は指板両脇、ブリッジまわりなど割れ補修歴数ヵ所あり(ボディ内側よりパッチ補強あり)ますがその他特に大きな修理履歴等はなく、キズ等もほぼ100年を経過してる楽器と考えると年代相応のレベル。塗装はおそらく再塗装が施されており、オリジナルの感触を損なわないセラックによる処置。サドルは金属製、フレットは0フレットを設置、木製のエンドピンが横板ボトム部に装着されています。ネックはほぼ完全にまっすぐの状態を維持、フレットも摩耗なく適正なレベル。ネックは薄めのDシェイプでナット幅も通常のクラシックぎたーと比較するとやや狭く加工されているのでコンパクトなグリップ感。
手軽に古楽器の響きを楽しみたい方におすすめのモデルです。