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ラファウ・トゥルコウィアック Rafal Turkowiak
New Arrival
ネック:メイプル
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:Der Jung
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 3.9mm
[製作家情報]
ラファウ・トゥルコウィアック Rafal Turkowiak 1966年 ポーランド生まれ。父親は大工で、幼少より自然と木工への興味を深めていたようです。ギターの演奏も能くし、15歳で地元の音楽学校に入学しますが3年のカリキュラムをわずか半年で終了してしまうなど早くから才能を発揮していました。家庭環境の中から培った木工技術と演奏者として自然に湧きおこる楽器への深い興味とが合わさり、彼は当初からきわめて実用に即した演奏性と音響とを追求した製作を試みるようになります。現在クラシック、アコースティック、ウクレレからマンドセロまで広範なラインナップを旺盛に展開していますが、それらは全てデザイン、木材のセレクト、細かな仕様に至るまできわめてユニークなものとなっており、とりわけギターという楽器の音響効果におけるいくつもの「innovative」な試みを具現化した設計は評判となり、現在ヨーロッパを中心に人気が高まっています。
[楽器情報]
ラファウ・トゥルコウィアック製作のクラシックギター、‘The Queen of Guitars’ 2016年製 No.123 Usedの入荷です。この製作家独自の発想によるいくつもの新しい音響効果の試みが採用されたモデル。それらはブランドの公式なアナウンスによれば、ネック内部に搭載された音響管によりボディとネックの相互の共振性を高める<Acoustic Tubes>(12フレットより上のレイズドフィンガーボード加工になった指板サイド部分に特徴的な開口部が設けられ、ネック内で発生する音圧をそこから放出するとのこと)や、弦の張力による表面板へのストレスを軽減し、表面板の振動効果を最大限に発揮させる<Wave Resonator>システムなどが特徴として挙げられています。そしてまた表面板の力木構造や、人間工学的な要請と審美性を融合したボディデザイン、野趣溢れるエキゾチック材の使用による外観などもやはりこのブランドの他にはない個性として特筆すべきでしょう。
表面板力木配置はシンプルな中に精緻な工夫がみられるもので、その純粋なオリジンとなるものはトーレス的な扇状力木構造ですが、そこから発展させ左右非対称の格子状力木構造へと昇華させています。サウンドホール上側に通常の平坦な形状のハーモニックバー、下側には上部がゆるやかな三つの山型になった1本のハーモニックバーを設置。この2本のバーの間、そしてネック付け根と上側バーとの間を各2本の力木が高音側と低音側に1本ずつ、それぞれ横板のカーブの方向に沿うようにして設置されており、そのため表面板上部はこれら計4本の力木が大きく菱形を形成しているような配置になっています。ウェストより下は幅約8㎜、高さ1~2mmほどの薄く平べったい形状の力木による格子状配置で、いわゆるオーストラリア派(グレッグ・スモールマンに代表される)のLattice ブレーシング構造とは異なり、基本的に表面板木目に沿った力木とそれとほぼ垂直に交差する力木とによって形成される碁盤の目のような配置になっています。これはしかし均質な格子を形成しているわけではなく、実際には高音側と低音側とでゆるやかな非対称を形成しており、この自在な厳密さにこそ製作家の特徴が現れていると言えます。まず表面板木目の方向には計6本が設置されており(ほんのわずかに扇状配置となっている)、このうち5本が駒板の幅に収まるようにしてほぼ平行に近い角度で、残りの一本がやや離れて高音側に設置。そしてこれらにほぼ垂直に交差するようにして計7本の力木が横幅いっぱいに表面板下部をまんべんなく覆うようにして設置されています。サウンドホール下のハーモニックバーとこれら7本の横の力木もやはり厳密に木目と垂直に設置されているわけではなく、低音側は間隔を広く、高音側にいくにしたがってわずかに狭くなっていゆくように配置されています。さらに駒板の位置にはほぼ同じ面積で3~4㎜厚の板が力木の上に乗っかるようにして設置されており、駒板部分の補強効果のほか、先述のWave Resonatorシステムの一環としての役割も担っていると思われます。また彼は他のモデルでは表面板と横板との接合部にペオネス(小型の木製ブロック)またはそれに類する補強材を一切設置しない斬新な組み立て方法を採用していましたが、ここではライニングを設置しています(ただし珍しい木目の、通常この部分には使用しないような木材を使用しています)。また裏板はバーを一本も設置していないのですが、横裏板もまた製作家独自の発案による方式(High Tech Press)で製材されたもので、音響効果と耐性を飛躍的に向上させたとしています。レゾナンスはEの少し上に設定されています。
撥弦の瞬間から一切の曖昧さのない整った音が現れます。同一弦において、また各弦間においても音像は非常な洗練により均質化されており、例えば和音におけるひとつの音の塊としての統一感とアルペジオにおける明確な分離は比類がないと言えるほど。全体は同一の位相で鳴っているような音響ですが平板な印象はなく、低音のどっしりとした重心感覚が全体をバランス良く構築し、響きには奥行きもあります。サスティーンでは音の密度が保持され、発音と終止の瞬間にはきりっとした身振りがあり、さらに磨かれたように艶やかな音なので曲の演奏は自然とすっきりとした上品な表情になります。こうした響きと音における発音特性は例えば対位法的な旋律においては明確な遠近感を形成し、スラーやスタッカートやトリルなどの装飾的旋律は明晰な身振りを生み出します。
弦の振動が木の声となって湧出するようなスペインギター的な音響とは異なり、弦の振動が様々なプロセスを経て精製されたような音で、ある種即物的(あるいは純音楽的)とさえいえるような音響特性を持っています。彼の発明したシステムがこの音の精製プロセスを十全に統御しているがゆえなのでしょうか、音色に関してはスタティックなところがあり、タッチに対する表情の変化などは限定的なものとなっています。しっかりした音圧を備えていますが、モダンギター的な大音量というわけではなく、あくまで自然な鳴りとしての豊かさが追及されているところも彼の性質によるものでしょう。
このブランドはまた個性的な杢目の材によるexotic な外観が特徴ですが、本器も横裏板には印象的なカリフォルニア・ウォルナット・バール材を使用、裏板はアーチ加工が施されています。横裏板内側にはスプルース材を貼り付けた二重仕様。また表面板はアルパインスプルースで右肘を当てる部分には黒檀によるアームレストを模したような傾斜加工がされています。ロゼッタは黒檀と天然黒真珠が象嵌され、ブランドロゴのクラウンマークがあしらわれています。塗装はこれも製作家により独自に調合されたグロスフィニッシュ加工。全体は僅かなスクラッチあとのみの非常にきれいな状態で割れなどの大きな修理履歴はありません。ネックはやや順反り、フレットは適正値を維持しています。ネックはDシェイプを基本として高音側をやや薄くした形状。指板は高音側20フレット仕様でレイズドフィンガーボードとなっており、ハイフレットでの左手の演奏性が追及されています。弦高値は3.0/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.5~3.0mmあります。糸巻はDer Jung 製で動作状況に問題ありません。重量は1.77㎏。オリジナル証明書付き。
〔商品情報〕
楽器名
ラファウ・トゥルコウィアック Rafal Turkowiak
カテゴリ
輸入クラシック 中古
品番/モデル
The Queen of Guitars No.123
弦 長
650mm
国
ポーランド Poland
製作年
2016年
表 板
松 Solid Spruce
裏 板
ウォールナット合板 Walnut
程 度※
8
定 価
時価
販売価格(税込)
792,000 円
付属品
ハードケース黒、オリジナル証明書、ブランドロゴ入りクロス
下の写真をクリックすると拡大して表示します
輸入クラシック 中古
ヘルマン・ハウザー3世 Hermann Hauser III
ラファウ・トゥルコウィアック Rafal Turkowiak
●
ホアン・エルナンデス Juan Hernandez
ペペ・ロメロ Jr. Pepe Romero Jr.
アントニオ・マリン・モンテロ Antonio Marin Montero
ペペ・ロメロ Jr. Pepe Romero Jr.
ミゲル・サントス Miguel Santos
ヘロニモ・ペーニャ・フェルナンデス Jeronimo Pena Fernandez
ヘスス・ベジード Jesus Bellido
ゲルハルト・オルディゲス Gerhard Oldiges
グレッグ・スモールマン Greg Smallman
アンヘル・ベニート・アグアド Angel Benito Aguado
ヘスス・ベジード Jesus Bellido
ラファエル・マルドネス Rafael Mardones
ホアン・エルナンデス Juan Hernandez
パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe
ルベン・モイセス・ロペス Ruben Moises Lopez
カルロス・ホアン・ブスキエール Carlos Juan Busquiel
※程度
10
新作
9
新品同様の美品
8
年代から見て状態が良い
7
年代から見て標準に近い状態
6
状態は少し劣るが演奏性は良い
5
状態は劣るが演奏上の問題は無い
4以下演奏性に問題がある楽器は、販売いたしません
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:Der Jung
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 3.9mm
[製作家情報]
ラファウ・トゥルコウィアック Rafal Turkowiak 1966年 ポーランド生まれ。父親は大工で、幼少より自然と木工への興味を深めていたようです。ギターの演奏も能くし、15歳で地元の音楽学校に入学しますが3年のカリキュラムをわずか半年で終了してしまうなど早くから才能を発揮していました。家庭環境の中から培った木工技術と演奏者として自然に湧きおこる楽器への深い興味とが合わさり、彼は当初からきわめて実用に即した演奏性と音響とを追求した製作を試みるようになります。現在クラシック、アコースティック、ウクレレからマンドセロまで広範なラインナップを旺盛に展開していますが、それらは全てデザイン、木材のセレクト、細かな仕様に至るまできわめてユニークなものとなっており、とりわけギターという楽器の音響効果におけるいくつもの「innovative」な試みを具現化した設計は評判となり、現在ヨーロッパを中心に人気が高まっています。
[楽器情報]
ラファウ・トゥルコウィアック製作のクラシックギター、‘The Queen of Guitars’ 2016年製 No.123 Usedの入荷です。この製作家独自の発想によるいくつもの新しい音響効果の試みが採用されたモデル。それらはブランドの公式なアナウンスによれば、ネック内部に搭載された音響管によりボディとネックの相互の共振性を高める<Acoustic Tubes>(12フレットより上のレイズドフィンガーボード加工になった指板サイド部分に特徴的な開口部が設けられ、ネック内で発生する音圧をそこから放出するとのこと)や、弦の張力による表面板へのストレスを軽減し、表面板の振動効果を最大限に発揮させる<Wave Resonator>システムなどが特徴として挙げられています。そしてまた表面板の力木構造や、人間工学的な要請と審美性を融合したボディデザイン、野趣溢れるエキゾチック材の使用による外観などもやはりこのブランドの他にはない個性として特筆すべきでしょう。
表面板力木配置はシンプルな中に精緻な工夫がみられるもので、その純粋なオリジンとなるものはトーレス的な扇状力木構造ですが、そこから発展させ左右非対称の格子状力木構造へと昇華させています。サウンドホール上側に通常の平坦な形状のハーモニックバー、下側には上部がゆるやかな三つの山型になった1本のハーモニックバーを設置。この2本のバーの間、そしてネック付け根と上側バーとの間を各2本の力木が高音側と低音側に1本ずつ、それぞれ横板のカーブの方向に沿うようにして設置されており、そのため表面板上部はこれら計4本の力木が大きく菱形を形成しているような配置になっています。ウェストより下は幅約8㎜、高さ1~2mmほどの薄く平べったい形状の力木による格子状配置で、いわゆるオーストラリア派(グレッグ・スモールマンに代表される)のLattice ブレーシング構造とは異なり、基本的に表面板木目に沿った力木とそれとほぼ垂直に交差する力木とによって形成される碁盤の目のような配置になっています。これはしかし均質な格子を形成しているわけではなく、実際には高音側と低音側とでゆるやかな非対称を形成しており、この自在な厳密さにこそ製作家の特徴が現れていると言えます。まず表面板木目の方向には計6本が設置されており(ほんのわずかに扇状配置となっている)、このうち5本が駒板の幅に収まるようにしてほぼ平行に近い角度で、残りの一本がやや離れて高音側に設置。そしてこれらにほぼ垂直に交差するようにして計7本の力木が横幅いっぱいに表面板下部をまんべんなく覆うようにして設置されています。サウンドホール下のハーモニックバーとこれら7本の横の力木もやはり厳密に木目と垂直に設置されているわけではなく、低音側は間隔を広く、高音側にいくにしたがってわずかに狭くなっていゆくように配置されています。さらに駒板の位置にはほぼ同じ面積で3~4㎜厚の板が力木の上に乗っかるようにして設置されており、駒板部分の補強効果のほか、先述のWave Resonatorシステムの一環としての役割も担っていると思われます。また彼は他のモデルでは表面板と横板との接合部にペオネス(小型の木製ブロック)またはそれに類する補強材を一切設置しない斬新な組み立て方法を採用していましたが、ここではライニングを設置しています(ただし珍しい木目の、通常この部分には使用しないような木材を使用しています)。また裏板はバーを一本も設置していないのですが、横裏板もまた製作家独自の発案による方式(High Tech Press)で製材されたもので、音響効果と耐性を飛躍的に向上させたとしています。レゾナンスはEの少し上に設定されています。
撥弦の瞬間から一切の曖昧さのない整った音が現れます。同一弦において、また各弦間においても音像は非常な洗練により均質化されており、例えば和音におけるひとつの音の塊としての統一感とアルペジオにおける明確な分離は比類がないと言えるほど。全体は同一の位相で鳴っているような音響ですが平板な印象はなく、低音のどっしりとした重心感覚が全体をバランス良く構築し、響きには奥行きもあります。サスティーンでは音の密度が保持され、発音と終止の瞬間にはきりっとした身振りがあり、さらに磨かれたように艶やかな音なので曲の演奏は自然とすっきりとした上品な表情になります。こうした響きと音における発音特性は例えば対位法的な旋律においては明確な遠近感を形成し、スラーやスタッカートやトリルなどの装飾的旋律は明晰な身振りを生み出します。
弦の振動が木の声となって湧出するようなスペインギター的な音響とは異なり、弦の振動が様々なプロセスを経て精製されたような音で、ある種即物的(あるいは純音楽的)とさえいえるような音響特性を持っています。彼の発明したシステムがこの音の精製プロセスを十全に統御しているがゆえなのでしょうか、音色に関してはスタティックなところがあり、タッチに対する表情の変化などは限定的なものとなっています。しっかりした音圧を備えていますが、モダンギター的な大音量というわけではなく、あくまで自然な鳴りとしての豊かさが追及されているところも彼の性質によるものでしょう。
このブランドはまた個性的な杢目の材によるexotic な外観が特徴ですが、本器も横裏板には印象的なカリフォルニア・ウォルナット・バール材を使用、裏板はアーチ加工が施されています。横裏板内側にはスプルース材を貼り付けた二重仕様。また表面板はアルパインスプルースで右肘を当てる部分には黒檀によるアームレストを模したような傾斜加工がされています。ロゼッタは黒檀と天然黒真珠が象嵌され、ブランドロゴのクラウンマークがあしらわれています。塗装はこれも製作家により独自に調合されたグロスフィニッシュ加工。全体は僅かなスクラッチあとのみの非常にきれいな状態で割れなどの大きな修理履歴はありません。ネックはやや順反り、フレットは適正値を維持しています。ネックはDシェイプを基本として高音側をやや薄くした形状。指板は高音側20フレット仕様でレイズドフィンガーボードとなっており、ハイフレットでの左手の演奏性が追及されています。弦高値は3.0/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.5~3.0mmあります。糸巻はDer Jung 製で動作状況に問題ありません。重量は1.77㎏。オリジナル証明書付き。