[製作家情報] スペイン、グラナダで今最も尊敬を集める名工として、日本でもファンの多いアントニオ・マリン。彼が1970年代の後半にフランスのロベール・ブーシェと出会うことにより、その作風を改良し進化させていったことは有名なエピソード。現在も現役で製作を続けている氏のギターは基本的に「ブーシェ以降」として認識されておりますが、本作はまさにそのブーシェ本人の作風に意識的に取り組んだものでModelo B と名付けられています。のちにModelo E(ブーシェレプリカ)として流通するものとはまた若干趣を異にし、柔らかく重厚な深みが際立った響きがやはり素晴らしく、グラナダサウンドの代名詞的な音色と言えるでしょう。レスポンスの極めて俊敏で明るくいかにもアンダルシア的な音色に、どこか現代的なニュアンスを加えたようなまさしく唯一無二の音響といえます。内部構造は左右対称5本の扇状力木にブリッジ真下位置に配されたトランスヴァースバーという配置。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。本作は2019年製作の中古でほぼ未使用に近い状態。もちろん修理履歴等もなく、演奏性に関わる部分(ネック、フレット等)も問題ございません。糸巻きはRubner製を装着。
1933年スペイン、グラナダ生まれ。家具職人として出発し、のちに同地の製作家エドゥアルド・フェレールの工房に入り製作を学びます。同工房出身のマヌエル・ベジードとともに共同の工房を立ち上げ、まずはキャリアをスタートさせます。その後独立し製作家としての評価も高めてゆきますが、1970年代後半にある日本人発明家の紹介でブーシェとの知遇を得て、その作風を大きく変化させていきました。音響と造作の両方に於いて、その芸術的な高みに達したギターはグラナダを代表する名品として現在不動の評価を得るに至っています。また氏の人柄を慕って現在では世界中から若き才能がグラナダに集まるようになり、氏の名前を冠した国際製作コンクールが開催されるまでになりました。現在も甥のホセ・マリンらと現役で製作を続けています。スペインギター製作界最高のマエストロにして最長老の一人。
[製作家情報]
スペイン、グラナダで今最も尊敬を集める名工として、日本でもファンの多いアントニオ・マリン。彼が1970年代の後半にフランスのロベール・ブーシェと出会うことにより、その作風を改良し進化させていったことは有名なエピソード。現在も現役で製作を続けている氏のギターは基本的に「ブーシェ以降」として認識されておりますが、本作はまさにそのブーシェ本人の作風に意識的に取り組んだものでModelo B と名付けられています。のちにModelo E(ブーシェレプリカ)として流通するものとはまた若干趣を異にし、柔らかく重厚な深みが際立った響きがやはり素晴らしく、グラナダサウンドの代名詞的な音色と言えるでしょう。レスポンスの極めて俊敏で明るくいかにもアンダルシア的な音色に、どこか現代的なニュアンスを加えたようなまさしく唯一無二の音響といえます。内部構造は左右対称5本の扇状力木にブリッジ真下位置に配されたトランスヴァースバーという配置。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。本作は2019年製作の中古でほぼ未使用に近い状態。もちろん修理履歴等もなく、演奏性に関わる部分(ネック、フレット等)も問題ございません。糸巻きはRubner製を装着。